種から野菜を育てる
冒頭の写真、野口の種「山田ネズミ大根」。種から育てました。自分の故郷である石川県の大根です。
なぜ種から育てているかというと、最初はなんとなく量販店に売られている安い種ってどうなのかなと感じたからです。
最近は種が水色だったりピンクだったりペンキを塗ったような色なことも、よくあります。
殺菌・殺虫目的の種子の化学処理ですが、こんなカラフルな種を大切な土に蒔くのは気が引けるな…そう思いました。
実際は無農薬野菜を作る農家の方も、普通に農協などで苗を買われている方や、種を買われている方も多いのです。当然F1(※当記事の最後の方にくわしく書いてあります)の種が使われていることが多いかと思います。
昔からある普通の種で育てたかっただけ
そのうちに、種が消毒処理など、化学的にいじられていることを知って、なんとも言えない気持ちになって、消毒をしていない種を探すようになりました。
またそのうちにバイオテクノロジーで、種が操作されていることを知りました。
こういうことの良し悪しはわからないけれど、別に困っていないので、わざわざ処理したもの使う必要なくない?
やらなくていいこととか、やってはいけないこととか
福島の原発事故の後、宮城から無農薬でお米を作られている生産者の小関さんが交流会にみえました。
その時、「原子力、遺伝子(植物の遺伝子組み換え)…こういうものに人が手をかけているけれど…こういうことを始めた日から、この日(福島原発事故)がくることが決まっていたんです…」とおっしゃられ、言葉もありませんでした。
やっぱり、≪タブー≫みたいなこともあるんじゃないかな…。
わたしが野菜をそだてている、最大の理由は「おいしい野菜が食べたい」というごくごく単純なことです。
でも、なんだか市場に出回っている野菜たち、前はもっとおいしかったような気がするな…どうしておいしくなくなったんだろう?
この理由も、種にも原因がありました。
わたしは種を探す旅に出てしまいました…。
種を買っているところ
≪加賀の無農薬野菜「風来(ふうらい)」≫さん
種子の化学処理をしていない種や苗を扱っています。
≪野口のタネ≫さん
力強さを感じる日本古来の野菜の種は、「いのちの種を未来に」の著者で、種屋さんである、野口勲さんの野口のタネさんから。野口のタネ→http://noguchiseed.com/
≪たねの森≫さん
国内外問わず、古くから伝わる伝統的な野菜の種を無農薬無化学肥料で取り続け、販売しているたねの森さん。
この3つのところから種を買うようにしています。
固定種とF1の種
種の話をするときに、「固定種」と「F1」という大きな違いがあります。
これは、野口勲さんいわく、「野菜のすべてを左右する決定的なものであるだけに、ぜひとも覚えていただきたいところ」だそうです。簡単に説明をさせていただくと…。
◆F1種
一代限りの雑種。生育が早くて実が多くなる。雑種は一代目の子に限って収量や生育速度といった能力が親よりも優れるという現象が起こる。(生育速度が速い分老化も早い)
作り方は花粉に異常をきたした(人間で言うと≪不妊≫の状態)の雄株を親としてつくられます。
また、農家は次の種を採取できないので、常に種メーカーに依存することになるだけでなく、F1種の野菜の味わいは、固定種の野菜にくらべて劣る場合がほとんど。
—「いのちの種を未来に」より要約—
◆固定種
育つ気候や風土、つくり方などに適応、変化し生まれてきた野菜の中からよくできたものを選抜して種をとり、その種を蒔いて育てた中から再びよいものを選抜して種をとり・・・といったことを繰り返すことによって、その野菜の形や色、味などの形質が固定化されていきます。
このように生み出されて、遺伝的に品種として独立していると認められた野菜を「固定種」といいます。
良い点は、種を買う必要がなく、毎回採種して継続できること。
固定種の野菜は、各地の先人たちが苦労して育てあげていった文化遺産とも言うべきものであり、その味わいは格別です。
—「いのちの種を未来に」より要約—
大まかにこんな違いがあります。
今、種の世界ではこのF1種が主流で、スーパーに並ぶ野菜はほとんどすべてF1種の野菜です。
野口勲さんの著書「いのちの種を未来に」は、何度も繰り返し読ませていただいています。
最後には扱っている種の一覧表もあり、畑づくりをされる方は、買われて折に触れて読まれるといいのではないかと思います。
わたしは野口さんが本文中で言われていたこの言葉に共感しました。
「そんな時代の流れに逆行して(農家が使う種は大手種苗会社が主流)、私の店では、日本各地や世界の固定種野菜の種を集めて販売しており、最近はインターネットでの販売も始めました。それもこれも『日本の野菜を、味の良い固定種にもどしたい』という一心からのことです。」
—「いのちの種を未来に」より抜粋—
わたしはおいしかった野菜を食べたい。
しかも、今、種がそんな問題を抱えているのなら、わたしが固定種の野菜を守り育て、未来に残そう…こんなシンプルな気持ちで畑に向き合っています。
また春がくる
まだ気温は低いけれど、日差しはもう春めいてきていますね!
そろそろ今年も春夏野菜の種まきと植え付けシーズン到来です。
種や苗を選ぶ時には、ぜひこのような種の世界にも、ちょっと注目してもらえればうれしいです。
いのちの種を未来に…!


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