2斤のパンを焼く、2斤の型に対する生地の適正量

この夏、焼きに焼いた2斤の角食

この夏は、例年になく夏でもオーブンを稼働させてパンを焼き続け、2斤の角食パンをついつい研究してしまいました。

8回目にして、この写真のように、やっとこイメージ通りに焼けました…。

もうほんと泣いちゃうーー。

今までの1回目から7回目までの迷走も振り返りつつ、この地味なパン焼きの日々をしたためさせていただきます。よかったらどうぞお付き合いください。

今まで興味が持てなかった食パンにふと興味がわいてしまった

実は今まで角食パンにはあまり興味を持てず、買ってまで食べることなどはまずありませんでした。家ではごくたまに英国滞在を思い出しつつ山型食パンを焼く程度でした。

それがこの4~5月、コロナの影響で仕事がお休みになったこともあり、ひさびさに食パンを焼くことに手を出してしまったんです。

そしたら、なんだかめちゃくちゃ楽しーって思っちゃったんですよね。もちろん最初は山型に焼いていたんですが、なんとなく角食も焼き始めて。

手持ちの型が1斤だったんですが、小さな型1個だけ焼くには、さすがにオーブンのスペースがたくさん余っていたので、もうひとつ1斤の型を買い足して、一度に1斤を2個焼こうと思ったんです。

ネットで延々と1斤の型を検索しているうちに、いっそ1.5斤か2斤の型を買っちゃってもいいんじゃない?と思えてきて、1斤の型に加えて2斤の型も買ってしまいました。

型の高さは慎重に選んだ

うちのオーブンは海外製の庫内の高さ低めのオーブンです。

日本で出回っているオーブンよりも庫内が狭く、高さがかなり低かったので、型を買う時は幅や高さの寸法をかなり入念に見なければなりませんでした。

市販の角食パン程度の1斤型はたいてい幅12センチ×12センチ×高さ12センチ程度なんですが、2斤はこの倍サイズということで、幅は24センチ×12センチ×高さ12センチで、うちのオーブンでもなんとかギリギリ型が入る計算でした。

このふたつの型を買うついでに、勢い余ってカンパーニュのバヌトン(籐のカゴ)まで買ってしまいました…。

届いたときものすごく箱がものすごく大きくて、この転勤族の小さな家で収納場所もないのに「またやっちまった!」と思いましたが、なんとかあの手この手で収納場所を捻出しました。

左…2斤型、真ん中…1斤型、右…手持ちの1斤型です。

1斤といっても、パンの1斤て定義がゆるくて340g以上あれば1斤と言ってよいらしく、型の大きさもまちまちなんです。

手持ちのサイズと同じくらいの少々小ぶり1斤サイズがよかったんですが見つけられず、仕方なく大きめの1斤を購入しました。

型の素材について

いつもパンの型はアルタイトの型を選んでいます。

アルタイトは鉄にアルミメッキを施したもので、 下地が鉄なので、熱伝導率が良く丈夫で耐久性があります。

 使いこむほどに油がなじんで型離れが良くなりますが、使い始める前に空焼きが必要になります。 鉄のフライパンなどをお迎えしたときと同じですね。面倒っていったら面倒なんですが、そんなに嫌いじゃないんですよね…。ま、やらなくていいに越したことないんですけど。

型の空焼きについて

型をお迎えしたら、まず型をきれいに洗ってからオーブンで空焼きして、さらに油を塗って220度から240度くらいで2~3回空焼きをします。

空焼きを終えて、いざ使用

まず1斤の型2個同時に焼くところから始めようと思ったんですが、わたしがまず使いたくなってしまったのが、この2斤の型でした。

見てー。2斤の型がうちのオーブンの庫内にギリッギリで入っています。

角食を極めたくなってしまったきっかけは…

型にレシピがついてなかったので、適正量をまずは計算せずに粉500gで焼いてみました。

よく考えたら、ここでちゃんと型に対する生地の適正量を計算すべきだったんですが、はじめはとりあえずちゃちゃっと様子見で軽く焼こうと思ってしまったんですよね。

…そして見事に失敗して撃沈されました。

この1回目の失敗で完全に極めたいスイッチが入ってしまいました。

しかしそれ以降も、生地量と発酵の見極めがしきれず、迷走してしまって失敗回数が多くなってしまいました。

焼くこと8回。

2斤のパン型でちゃんと角食が焼けるまでの、わたしの迷走を、ここにしたためさせていただきます。

角食、2斤の型の適正量を探る旅

【1回目】

粉500g、焼きあがった型の蓋を外したら、こんがり焼け、おまけにきれいにホワイトラインが出現したので、いきなり適正量でうまく焼けてしまった!と心が躍りました。

しかしいざ、型から外すときに悪夢が。

何度も空焼きしたはずの型に生地がくっつき、型から出すときに写真のようなボロボロの姿に…!

かなりショックでしたが、生地量が良いことが分かったし、子どもたちが美味しそう~!と言って喜んでいたのでまあいいかということにしました。

この時は完全に型の空焼きがあまく、型から外すことが失敗の原因だと思い込んでいました。

【2回目】

同じく粉500g。2次発酵も適切にとったはずなのに、生地量がたりずてっぺんが蓋に届かず微妙な山型に。しかも型の側面にまた生地がくっついてしまい、出すときにボロッと皮がむけてしまった。

はぁ~。2回目は、型から取り出すのはもちろん生地量か発酵の見極めのどちらかでも失敗してしまいました。

焼きあがったパンの高さが蓋に届かず平面な焼き目になってなかったのもショック。

やはり思い込みって怖いですよね。

1回目があまりにもきれいに膨らんで、しかもきれいにホワイトラインが出ていたので、この時点でも生地量に問題があると思えなくなってしまっていました。

生地量は適正だと思いこんでしまっていたので、きっと発酵の見極が問題だと、発酵時間に焦点をあててしまいました。

【3回目】

3回目も焼きあがって蓋を開けると、またもや生地量が足りないか発酵不足かで、パンのてっぺんが蓋に届かずまた山型のようになってしまいました。

この時点でも、わたしはまだ生地量が少ないのではないかということをあまり疑っていなくて、発酵の見極めが問題だと思ってしまっていました。

型から結構抜けるようにはなってきたけれど、場所によってちょっとまだくっつきか強いとろこがあって、この時もボロッと皮がやぶけていまいました。

はぁ~残念。

【4回目】

ヘラで少しはずすのを手伝うときれいにスポッ!と型抜けするようになりました。

でも、やっぱり生地がてっぺんに届かない…。

発酵も見極めた。型からうまくはずせるようにもなってきた。

ここでようやく、原因はそもそもの生地の量が足りないんじゃないかと本気で考えるようになりました。

次回は100g増やし600gの粉で作ろうと決めました。

【5回目】

計画通り、5回目にして粉600gにして生地量を増やしてみました。

焼きあがってから型にドン!と衝撃を加えるだけで、あとはなにもしなくてもパンが型からスポッ!と抜けるようになった。

これだけでもまあかなりうれしい…。

でもまだやっぱり生地が足りてない様子でてっぺんに生地が届いていない…。やっぱり生地量が全然足りていなかったんだ…と悟りました。

こんなにきれいに型からはずれるようになったし…。

毎回、中も美味しく焼けているし…。

あとちょっとじゃない??

…ここにきてやっと、わたしはいつも初めて焼く型ではちゃんとやっている生地の適正量を計算しました。

1回目にあんなにきれいな形に焼けたから、きっと生地の量は合っているはずだな~って思って(思いたくて)ずっとそれにとらわれすぎちゃったてたんですよね。

【6回目】

あらためて、計算。この型は12センチ×12センチ×24センチで3456㏄。型に対する生地の適正量は角食の場合3.8~4.0(38%~40%)なので、1313g~1382g。わたしのベーカーズパーセンテージに直してみたら、粉が720g。

とりあえずこ5回目は600gだったので700gにしてみました。

そしたら、カクカクになりすぎたw

まあ、この角食でもいいって言ってしまったらいいのかもしれないけれど、やっぱりわたしはいい感じのホワイトラインを出したい!

サイドもいい感じだけど…。

やっぱりカクカクだな~。

中身はいい感じ~♡

サンドイッチにし~よおっと。

前回から焼きあがって型にドン!と衝撃を加えるとスポ!っとパンが出てくるようになった。。。まあこれだけでも進歩だ…。うれしい。

【7回目】

5回目と6回目の分量の間をとって、粉を650gにしてみました。

うう~ん、やっぱりカクカク…。でもこれは2次発酵をほんの少し(5分ちょっと)やりすぎたせいに思えて、次回も粉650gで2次発酵を型の7~8分目までにしようと決めて、メモに残しておきました。

今写真を見てもちょい過発酵な顔しているので発酵時間取りすぎたのが原因とわかります。夏場にパンを焼くときって一瞬でいきすぎちゃうことがありますよね。

うん、あと1歩だ。次こそは絶対うまく焼けそうな気がする~!

中身はふんわりフワフワ~。

角がカクカクになるほかは、味もやわらかさも、型抜けももうイメージ通りなのよ…。

【8回目】

今日はお休みだったので、朝から焼きました。

焼きあがったらすぐにオーブンから出して、型にドン、とショックを与えてパンを取り出すと…はぁ~~~もう~~~ついに~~~するっと2斤のパンが出てきました。

てっぺんのふちっこに、きれいなホワイトラインが出ています。

生地量、これでよかったんだ…。

2次発酵、あれでよかったんだ…。

いろいろ感慨深いです。

横顔もなめらか。

正面?ん?違うか。ここの部分なんて言うの?

てっぺん。

斜め上から。

美しくカットできました…。

断面はこんな感じです。

8回焼いて、ようやくこんな風に焼けるようになりました。

思い込みが足かせとなって

失敗の原因は1回目の過発酵気味で膨れすぎたパンを、これが適正生地量を思いすぎたことで、生地量が少なすぎるまま焼き続けたことでした。

正式に割り出した計算上よりもやや少ない生地量ですが、わたしの手持ちの材料での配分では粉650gの生地量が適正量でした。

たどり着いた、角食の奥義は

8回焼いてわかったことは、適正量を型に入れて、型の7~8割程度まで生地が上がってきたら2次発酵を終了し、すみやかに焼成に入るという、ごくごく当たり前のことでした!

これを知るために長い旅をしたもんだ…。

ちなみに、この2斤の型(12センチ×12センチ×24センチ)の型に対するわたしの配分はこんな感じです。

角食パン、わたしのレシピ

【食パン2斤】(12センチ×12センチ×24センチ)

・強力粉500gと薄力粉150g(合わせて粉650g)
・水420g
・粗糖30g
・スキムミルク20g
・塩10g
・白神こだま酵母9g
・バター30g

【作り方】

①ニーダーにバター以外を入れて15分捏ね、バターを加えさらに5分捏ねて20~30分1次発酵させます(夏場なので早めに切り上げます。冬場は40分1次発酵させています)。

②フィンガーテストをして1次発酵がおわっていたら、ニーダーを少し回しガス抜きをしてから生地を取り出して4分割し(292g程度で4個)、それぞれを丸めてベンチタイムをとる。

③食パンの型に食パン用に成形した生地を入れていく。

④40~50分程度2次発酵させ、生地が型の7~8割程度までふくらませる。

⑤200度に予熱したオーブンで10分、180度に下げて20分焼成する。

⑥焼きあがったらすぐオーブンから出し、型を15~20センチくらいの高さから台にドン!と落としショックをあたえてから蓋を開けてパンを出す。

以上です!

この適正量を探る旅を終えてのあとがき

はぁー思えばいろいろあった1か月だった。大抵1週間に1度のパン焼きですが、週に2回くらい焼いていた。使った粉の量は4.6キロ。

しっかり食べる5人家族の我が家でも冷凍庫に常に2~3回分の食パンが冷凍されていました。失敗しているし、どなたかに差し上げるわけにもいかないしね。

この1か月角食しか焼いてなかったので、いい加減違うもん焼きたいですねー。

次回はベーグル焼くぞと決めています。

記録魔なので、なんでも記録しちゃう

毎回、材料や時間の条件や様子が微妙に違うので、記録を取って写真とメモに残しておいています。

こんな風に走り書きできれいではありませんが、メモメモ…。

その時はわからなくても、最終的にふり返ってみると、その過程過程で自分がどんな勘違いや思い込みをしているかがよくわかります笑 はずかしいです。

人生と似ていますかね。

今思えば1回目のパンの味は過発酵だった。メモを見ても写真を見ても、過発酵だと今ならわかる。

その時はわからなかった。

写真はないけれど、このメモには、なにもしなくても型からスポ!と抜けた喜びや、次回こそきれいなホワイトラインを目指すという意気込みなども書かれていて、その必死さが笑える…。

この写真は、1回目の焼きあがった生地を手で割ったところ。写真も、振り返るうえで重要な材料になっています。

過発酵気味だったとは言え、最初から味だけはよかったのが救いだったよね。

いやー、感慨深くうれしかったです。うれしすぎて、めずらしくすぐに記事にできました。いつも写真撮っても記事にできるまでかなりタイムラグができちゃうので…。

あーもう、すっごく長~いローーーングな記事になってしまいましたが、最後までお付き合いくださった方ーーありがとうございますー!

来週、シャインマスカットが届く予定なので、この角食を焼いてフルーツサンドをつくるぞと今から考えを温めているんですが、めっちゃ楽しみです。またこちらも記事にしたいです。

愛用品ギャラリー

アルタイトのパン型はこちらをつかっています。

2斤用

※2026年6月追記
愛用しているパン型が売り切れとなっており、似たもので価格も手ごろなものを貼らせてもらいます。こちらも信頼できるよい道具を扱っているお店だと思います。しかも空焼き済みってところが最高じゃないですか。


この記事を書いた人

3人の子どもと、夫と暮らす50代。地味だけど細々とつみあげてきたわたしの暮らしをつづります。

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